2007年5月30日水曜日

札幌の老健施設、入所者廊下に寝かす 男女5人1年間 「不適切」道が指導へ

 札幌市南区の介護老人保健施設「フォーシーズン真駒内」(小松本正志理事長、七十六床)で、入所者の男女五人を約一年間にわたり、廊下で寝かせていたことが二十二日、道と札幌市の監査で明らかになった。道保健福祉部は「不適切な処遇」として近く同施設に文書で改善を指導する。また、道などは、その場でおむつの交換をしていたことが高齢者虐待防止法の性的虐待の可能性もあるとみて、さらに詳しい調査を進める。
 道などは同施設の関係者から情報提供を受け、七日に同施設を監査。その結果、三階の認知症専門棟(三十床)で、昨年五月ごろから、七十代から八十代の男性三人と女性二人が、日中はデイルームとして使われている廊下に布団を敷いて寝かされている実態を確認した。就寝時に男女別の仕切りもなく、五人のおむつの交換もその場で行われていたことも分かった。
 道は「社会的な通念上、認められない処遇」と判断、その場で口頭で指摘した。五月中に同施設に文書で改善を指導した上で、改善計画書の提出を求める。
 さらに、男女のおむつを替えていたことについて「介護者や家族以外の異性の目の前で排せつ物の処理をすることは通常は考えられない」(道保健福祉部)として、今後の対応を検討する。
 北海道新聞社の取材に、同施設の潮田英明施設長は「廊下での就寝は、個室での転倒事故を予防するためで、家族からの要望があった。おむつの交換は介護の認識不足だった。あってはならないことで反省している」と釈明。その上で「現在は入所者全員が居室で就寝できるよう態勢を改めた」と話している。
 同施設は医療法人の栄会が運営し、昨年四月にオープン。常時、九割程度が入所している。

(北海道新聞より引用)

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