2008年1月29日火曜日

札幌の梅吉さん 切り絵漫画でデビュー 「モーニング」で酒蔵探訪し連載

札幌在住の女性切り絵師、梅吉(うめきち)さん(35)が、週刊青年漫画誌「モーニング」(講談社)で切り絵漫画「一杯では終われません」の連載を始めた。日本酒が大好きな梅吉さんが道内をはじめ全国の酒蔵を訪ね歩く内容で、絵だけでなく、セリフもすべて切り絵で表現している。同誌が切り絵漫画を連載するのは初めて。梅吉さんは「単行本の出版を目指したい」と張り切っている。
 梅吉さんが切り絵を始めたのは、二○○三年に遭った交通事故がきっかけだった。バイクに乗っていたところ、車に追突され、利き手の右手の甲を骨折。二度手術したが、小指が思うように動かなくなった。看板屋に勤め、カッターで文字や模様の看板用シートを切っていた経験から「切り絵で指を動かす練習をしよう」と思い付いた。
 最初は普通に動物などを切っていたが、「漫画にしたら面白い」と漫画に取り組んだ。○五年に四ページの切り絵漫画「切り絵ざんまい。」が、同誌の「第十八回MANGA OPEN」で奨励賞を受賞。翌年から、同誌の目次ページで一コマ漫画「そこもまた魅力」を担当し、今回の連載につながった。
 切り絵を印刷した切り絵漫画は素朴な描写に独特の味わいがあり、せりふの文字もすべてつながっている。担当の編集者は「ペンで描くよりも手間がかかる。一生懸命さが面白さとして伝われば」と期待する。
 二十四日発売号が連載二回目で、訪れたのは留萌管内増毛町の国稀酒蔵。「純米酒」や「吟醸酒」などの原料や造り方などを紹介しており、梅吉さんは「全国の小さな酒蔵の人たちとの交流が楽しい」と話している。
 「モーニング」は道内の書店やコンビニエンスストアで毎週木曜日に発売される。

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