2007年9月13日木曜日

市立札幌病院 来春に看護師140人採用 例年の3倍、診療報酬の改定背景に

市立札幌病院(札幌市中央区)は来春の看護師採用試験で、例年の三倍以上となる約百四十人を採用する。これまで年一回だった試験を二回に拡充し、三十歳以上を対象にした「経験者の部」も新設した。昨年四月の診療報酬改定で看護師の配置が手厚い病院には、入院基本料が上乗せされるようになったことが背景にある。  三十歳未満の新卒者を対象にした「一般の部」は、これまで四十人ほどだった採用枠を百四十人に拡大。人材確保のため五月にも採用試験を行い、すでに八十九人が合格している。十月中旬の採用試験では四十五人ほどの採用を見込んでいる。  「経験者の部」は三十-三十五歳で、職務経験が五年以上の看護師が対象で、若干名を採用する。教育期間がいる新人だけでなく、出産や子育てのため離職した看護師を採用することで「即戦力」とする狙いだ。  背景には、昨年四月の診療報酬改定がある。以前は患者十人に対して看護師一人を配置する「十対一」の病院が最高水準だったが、さらに手厚く看護師を配置した病院をサポートしようと、「七対一」の新基準をつくり、入院基本料を上昇させた。  同病院の人員増も、この診療報酬改定に対応するためで、同病院は「看護師は慢性的に不足。夜勤の看護師を増やすなど、患者のケアを充実させられる」(看護課)と歓迎する。  全国の大病院では、昨年度から看護師の争奪戦が始まっている。市内では今春、北大病院(約百四十人)札幌厚生病院(約三十人)などの定員増を終えている。  ある看護専門学校では昨年、有名大学の付属病院などの募集要項が山のように届いた。今年は道内地方都市の病院などの募集が中心というが、突然の採用ラッシュに「ありがたいが、学生が実習に集中できない」と困惑するほどだ。  一歩出遅れた格好の市立札幌病院だが、「一般、経験者ともに反応はいい。優秀な人材が確保できるはず」(総務課)と話している。(北海道新聞 引用

0 件のコメント: