2007年9月18日火曜日
万引 少年は巧妙、高齢者は大胆 道内
道内の小売店や道警が高齢者と少年を中心に万引対策に力を入れているが、「万引Gメン」と呼ばれる民間の専門の私服警備員によると、高齢者の万引は手口が大胆になっている。一方で、少年の手口は巧妙化しているという。万引Gメンがかたる最近の実態は-。 今夏、札幌市内のスーパーで高齢、中年、若い女性の計三人がカート二台に食品などを満載し買い物をしていた。三人はレジを迂回(うかい)し、金を支払わずにサービスカウンターの前を通過。約三万円分の商品を段ボールに詰め込むと、外に出た。警備員が追いかけて声をかけると、「えっ」と驚いてみせた後、すぐに犯行を認めた。「あれだけの量をよくも堂々と…」。警備員も店舗責任者もあきれ返るしかなかった。 複数の警備員によると、道内は首都圏に比べ店内の人通りが少なく見つかりやすいため、手の込んだ万引が多かったが、最近は高齢者を中心に大胆な手口が増えた。カットフルーツを店内で食べ歩いて棚に戻したり、一日に何度も来店し、「食べたいから」という理由で漬物や煮豆を次々に盗むなど、「スーパーを冷蔵庫代わりにしている」(ある警備員)例もある。捕まった際も「払い忘れた」「かばんにすべって入った」などと言い訳したり、認知症を装うこともある。 この警備員は手口が大胆になっている理由に関して「高齢者なら許してもらえると思っている感じがする」と憤る。昨年、道内で万引で摘発された六十五歳以上の人は八百八十人で、過去十年間で二倍に増えている。 一方、昨年、万引で摘発された十九歳以下の少年は八百三十九人で、十年間で三分の一以下に減った。しかし、手口は巧妙になってきた。一度、商品を買ってレジ袋をもらい、その後、売り場に戻ってレジ袋に商品を入れたり、防犯タグがセンサーに反応しないよう、アルミホイルを張ったバッグを手作りした例もあった。小売店でアルバイトをする高校生が、友達に「ここは万引しやすい」と教え、自分の分も万引させようとしたケースもある。 警備員の一人は「悪いことと分かっていても、警備員に挑戦するゲーム感覚もある」と嘆き、手口が巧妙化した一因とみている。 高齢者や少年の万引抑止策を研究する道警犯罪脆弱(ぜいじゃく)者対策研究委は「少年、高齢者ともに規範教育が重要。特に高齢者は孤独感も犯行の背景にあるため、町内会活動に参加させるなど人間関係の希薄さを補う取り組みが必要だ」と指摘する。(北海道新聞 引用)
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